「毎年、年始におせちを食べているけど、今年は喪中だから食べられない。」
「おせちを食べるのを楽しみにしていたけど、喪中におせちを食べてもいいのかな?」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
喪中におせちを食べてよいのか悪いのか、ご説明しましょう。
喪中におせちは食べていいの?
喪中におせちを食べてよいか、はっきりとした決まりなどはありませんが、忌明けとされる四十九日が済んでいるかどうかを目安に検討してみましょう。
「喪中」の期間は一周忌(1年間)と言われているので、その期間の年始は年賀状や「おめでとう」というご挨拶はしないのが通例です。
おせちはお正月の祝い料理のため、気になる場合には控えたほうがベター。
また、四十九日が経過していても「おせち料理で祝う気分ではない」と思えば、また来年に持ち越しとしましょう。
特に、しきたりを気にする高齢者の方と年明けを過ごす場合、おせちを食べることに抵抗がある高齢者の方もいるので、配慮が必要です。
しかし、昨今では様々な家族構成があるため、家族の好みに合わせて柔軟に対応しても良いでしょう。
おせちとその具材の意味
おせちは、お重を積んだものに新年を祝う料理を入れるもの、ということはわかっていても、もっと細かい意味や決まりがあるのをご存知ですか?
おせちの意味を理解すると、喪中におせちを食べようと思った時に何を食べてよいのか、控えたほうが良いかの参考になります。
お重の意味
おせちのお重とは
おせちのお重=めでたさを重ねる
という意味になるため、もし喪中におせちを食べる場合には、重箱ではなく一重の入れ物に入れたり、普通のお皿に盛り付けましょう。
一の重 | 祝い肴(ざかな)・口取り |
二の重 | 焼き物 |
三の重 | 煮物 |
与の重 | 酢の物・和え物 |
五の重 | 空or好きなもの |
おせちの料理の意味
おせちの料理はみな、おめでたい意味を込めたものばかりが詰まっています。
紅白かまぼこは祝い事のときに食べますが、有名なところですと
鯛=めでたい
昆布巻=喜ぶ
などが挙げられます。
喪中におせちを用意するときには、その食材が何を意味して入っているか、配慮が必要です。
以下はおせち料理の一部ですが、以下のような食材は除いたほうがよいでしょう。
海老 | 海老のように背中が丸くなるまで長生きができるようにという願い |
数の子 | 数の子はニシンの卵で、ニシンから大勢の子が出る=子孫繁栄を願う |
栗きんとん | 栗きんとんの黄金色=宝に見立て、豊かな年となるように願う |
紅白かまぼこ | 赤色はめでたさ、白色は神聖さを示す |
昆布巻き | 「喜ぶ」にかけて縁起をかつぐ |
鯛 | 「めでたい」の語呂合わせ |
田作り | 五穀豊穣 |
ブリ | ブリは出世魚と呼ばれるため、将来出世できるようにという願い |
喪中でおせちを食べる時に気をつけるポイント
おせちの各料理は、祝い事の言葉にかけているものがほとんど。
では、喪中でもおせちを食べるときには、どのような料理にしたら良いのでしょうか?
おせちの中は「祝い事」の料理でいっぱいのため、喪中の場合はわざわざおせちを作ったり購入しなくても良いのです。
オードブルにしたり、故人の好物だった料理をお皿に盛り付け、仏前にお供えして故人を偲びながらいただいて「おせちの代わり」にしてもよいでしょう。
なお、自宅でおせちを作るときには、以下にも気をつけたいものです。
- 祝い箸は使わない
- 南天など「紅」が入った飾りを添えない
- お屠蘇は飲まない
- 金箔入りのものを用意しない
最近では「喪中おせち」も発売しています。
おめでたい料理はないものの、故人を偲びながら静かなお正月を迎えるにふさわしいおせちです。
まとめ
喪中におせちを食べてよいかどうかを説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
明確な決まりはないものの、やはり新年を迎える家族の「気持ち」が一番大切です。
今は家族構成や宗教などにより様々な考え方があるので、ご家族にあった方法でおせちを食べるかどうするか判断することをおすすめします。
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